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カフェ辞苑

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2006年 11月 18日

【大人の躾】

…大人がちゃんとしないと、ね。
<例のコラム>
 自殺する子供たちのことが報道されない日がありません。
いじめによるものが大半という印象ですが、そうではない、
世を儚んでというものもあるような気がします。希望を感じ
ることができない“つまらない”世の中だから、“死んじゃおう”
という短絡的な死も多いような気がするのです。
 いじめられている子供にも、世を儚んでいる子供にも、も
っと大人たちが手を差し伸べてあげるべきなのに、それが
できていないのは何故でしょうか?
 その原因の第一に、あまりにも大人たりえていない、つまり
大人としての躾が身に付いていない大人たちが多いからで
はないかと思います。
 人としての美しい行動や立ち居振る舞いができるのを躾と
すれば、今の大人たちは、ご都合主義でエゴイスティックで
とどのつまりは美しくない、見苦しい姿を子供たちに見せつ
けているのではないでしょうか。
 だからこそ、大人の躾が大切です。
 大人の躾は誰がするのでしょうか? それは理想的にはその
大人の親がすべきですが、大人の親たちは高齢化しており、
もはやその気力も体力もありません。では、誰がすべきか。
 そうです。自分でするしかないのです。ご夫婦の場合は、自
分たちで、在るべき大人像を思い描き、自分を律していただ
きたいと思います。偉そうに言っているのではありません。僕自
身も常にそうやって自らを律し、なんとか躾の身についた日常
をおくっているのですから。
 身を美しくする。美しく生きる。そんな意味において僕が自ら
を躾けているルールは三つあります。
 まずこちらの都合を相手に押し付けないこと。世の中には強
者もいれば弱者もいて、中には平凡に生きたいと願う方もいる
ので、それそれにそれぞれの都合があり、一方的に押し付け
られたのでは調子が狂ってしまいます。子供たちに対しても同
じで、昨今は夜遅くまで子供たちを起こしておく親がいますが、
あれなど大人の時間都合に子供を巻き込んでいるいい例で、
成長期の子供たちの調子を狂わせている最大の原因ではな
いでしょうか。特に幼少期の睡眠不足は情緒不安定に直結し
ているように思います。
 次に「筋を通す」という生き方を自らが実践すること。有名な数
学者がテレビで「いじめは卑怯者がすることだ。だからしては
いけないことなんだということを、親が教えないからいけない」
とおっしゃってましたが、まさに同感です。そんな初歩的なこと
をはじめ、きちんと筋を通すという生き方を自分が行い、それ
こそが正しい人の在り方であることを、大人は子供に教えるべ
きだと思います。
「筋を通す」のは大変です。経済原理主義な上に杓子定規な社
会において自分の意見を明確に意思表示し、間違ったことには
意義を唱えこれが正しいのだと胸をはるのはどんなにか勇気と
時間がいることか!! でも、躾を身に帯びた大人はそれをしなけ
ればなりません。
 最後に、自分なりの「後ろ姿」を魅せる、ということです。ここら辺
が今風です。なにせ現代はコミュニケーションの時代ですし、デ
ザイン感性が求められています。そのことを大人は意識して、意
図的に自分なりにカッコイイと思っている後ろ姿を世の中に、なか
んずく自分の子供たちに魅せるのです。それは、ただがむしゃら
にがんばる姿でもいいのです。真剣に、一生懸命に、大人として
自分の信じた道を歩いていきさえすれば、その「後ろ姿」は、子
供たちに美しく、頼もしく映ることでしょう。
 大人の躾で自らを律し、美しく生きる大人たちが増えたとき、子
供たちは、自分の目の前に、温かな手が数多く差しのべられて
いることに気づくことでしょう。
 そこには、問題が起ってから、“言い訳”のようにあたふたする見
苦しい大人の姿ではなく、凛とした大人の佇まいがあります。
 大人たちが、きちんとした大人になれば、子供たちも豊かな感
受性と可能性に瞳を輝かせる、本来の子供たちにもどることがで
きるはずです。
 そうすれば、短絡的に死を選ばざるえないという悲しい事件は減
少します。

by cafejien | 2006-11-18 12:02


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