カフェ辞苑

cafejien.exblog.jp
ブログトップ
2007年 05月 30日

【夕立を走る】

…時には立ち止まらず走り抜けよう
<例のコラム>
 本当に久しぶりのブログです。
 いや〜忙しかった。この一ヶ月、いろいろありました。
 いつもの家づくりプロデュースに加え、ブルースカイミーティングの準備
や「一町一家運動」の準備、それに伴う書籍の発行、さらに、モデルハウ
ス&ギャラリーの開設準備などなど、ほんと、疲れました。
 なにも一度にやらなくても〜と言われそうですが、なぜかかぶってしまう
んですね。
 でも、26日27日にブルースカイミーティングが終わったので一段落です。
 この間にオープンハウスにも行ってきました。
 5月19日、瀬野さんのオープンハウスと関本さんのオープンハウスのハ
シゴをしたのです。
 瀬野さんが設計した住宅は7月のテレビ番組(ドリームハウス)に登場す
る住宅でして、なんとそこには瀬野さんの奥様と息子さんもやってきてい
ました。以前から一度お目にかかりたかった奥様にお会いできて感激。
そう言えば瀬野さんいつか酒の席で「なんだかんだ言ったって僕はカミ
サんを愛してますよ!」と断言してらっしゃいました。
 ここからが大変でした。瀬野さん設計の住宅のオープンハウスは石神
井公園だったのですが、関本さんのオープンハウスは埼玉県の新河岸
です。しかも夕方には羽田から福岡に向かわねばならないのでばたば
たと西武新宿線急行で高田馬場へ。そこから山手線で池袋まで行き、
東武東上線で新河岸へと向かったのでした。
 オープンハウスの現場は駅から徒歩15分の距離。この時にはまだ気づ
いていなかったのです、頭上の天候が急激に変化していることに。
 関本さんのオープンハウスでは、施主さんに久しぶりに会い、お礼のお
言葉をいただきました。この瞬間がいつも最高にうれしいと感じます!!
しかも来場していた方が声をかけてきて「森さんに設計してもらって家を
建てた者です。その節はありがとうございました」、とこれまたうれしいお
言葉。しばし、「白い家」(森さんの設計する住宅はたいがいは白です)の
住み心地について話が盛り上がりました。
 さて、関本さんの設計した家ですが、やや斜面になった地形をうまく利
用して1階部分はRC造としその上にナチュラルテイストのウッディな木
造2階部分が乗っかってます。関本さんはフィンランドで修業をつんだ建
築家なので出来上がる家はいつも北欧のシンプルにしてナチュラルな
やさしい空気に包まれています。
 建築家の前島周子さんもやってきてたので立ち話したのですが、周子
さんもこの家の雰囲気が気に入った様子でした。
 それでも、ついつい話し込んでしまいそうになっている自分を制してそ
の家を後にしたのは飛行機の時間が迫っているからです。
 で、家を出た瞬間、悪い予感がしました。
 頭上の雲が真っ黒なんです!!
 や、やばいと思いながらも、駅に向かうしかありません。
 まだ振り返ればオープンハウスの家が見えるというそのとき、ポツリと来
ました。それがポツ、ポツとなるまでに数秒。これくらいならばと足を速め
て家が見えなくなる頃にザザっと来ました。えー、うそーと思っているとザ
ザザーと夕立が襲ってきたのです。
 辺りは住宅街で身を隠すものはなに一つありません。僕はジャケットを頭
からかぶって走りはじめました。そのジャケットが雨ですぐに重くなってき
ます。ズボンはすでに黒く濡れています。
 引き返そうか、と思いました。
 自分はなんでこんなにずぶ濡れになってまで駅に向かっているのかと自
問してしまいます。
 でも、飛行機が待っています。飛行機の先に明日の仕事が、未来の生活
が、新しい計画がまっています。すくなくとも予定がびっしりです。
 ずぶ濡れになって走りながら僕は「この雨を抜ければ明るい明日がある」
と自分に言い聞かせていました。
 ブルースカイミーティングも「一町一家運動」もモデルハウス&ギャラリー
も今はその準備に労力を注いでいて大変ですが、それが達成されれば未
来へのバトンタッチができるはずです。
 僕はそんなことを考えながら夕立を走りました。
 やっと駅に着き、電車を乗り継いで飛行機に乗るまでの間にずぶ濡れにな
ったズボンとシャツがようやく乾きました。ジャケットはなかなか乾きません
でした。
 電車の中では洋服を乾かせるためにずっと立っていました。冷房が効いて
いるので風邪をひきかねないと思い、気合いを注入して濡れた衣類からカ
ラダへ寒気が伝わらぬよう念じながら、僕は品川から京急に乗り換えました。

 
f0003539_1758537.jpg

白木な感じがいかに関本さんです。
ここに居たうちはよかったんですが・・・・・。
[PR]

# by cafejien | 2007-05-30 12:00
2007年 04月 13日

【人柄建築家】

…住宅建築は人柄そのままかもしれないな〜。
<例のコラム>
 4月10日は関東圏の建築家と工務店が10数名集まり、一町一家
運動のためのミーティングを行った。
 場所はプロトハウスカフェ&ギャラリーのコワンである。
 3時からまじめなミーティングを行い、建築家も工務店も本音で話
し合った。本の出版予定やこの運動の目的などについてからはじま
り、そもそもこの運動をなぜスタートしようと思ったのかなど、質問が
相次いだ。
「それはですねー、実はここに来ていただいている長野工務店さんが
建築家の瀬野さんに声をかけて成功した家づくりの実例があり、それ
がそもそものきっかけで考えたんですよー」と僕。
 みんなが本音でしゃべっていたので、僕も、そもそもの初心を自然
に思い出したのでした。
 それを聞いた瀬野さん
「へー、そうなの?知らなかったー」と驚きの声。それもそのはず、僕だ
ってそのことを意識して人に話したことなかったですものねー。
 そんな風にこの日はみなさんざっくばらんに思いのまま語り合ってい
ただけた。
 午後5時過ぎにはもうビールの時間となり、すぐにワインが入ってさらに
舌が回り始めた。
 こうなるともうみんな勝手にワイワイ語りはじめ、まだ寒い4月の夜も暖
かくすぎていったのだった。
 わざわざ河口湖町からいらしたリベロホームさん、群馬県高崎からいら
したバウハウスさん、本当にありがとうございました。
 このバウハウスの代表である岩上さんはご自身が設計の心得もある方。
これまでに数多くの家づくりをしてきた経験がある。
f0003539_17351237.jpg


 次の日は静岡県にひとっ飛び。富士宮市にあるカーポス工作所さんと静
岡市にある秋山建築研究所(秋山雄威さん)をうかがった。
 いずれも一町一家運動に参加していただいているので経過報告である。
 カーポス工作所は間もなくカフェ&ギャラリーとなるということで、只今準備
の真っ最中。木を使った空間はなかなか居心地がよかった。6月中旬にオ
ープンするとのことなので富士宮の皆さんは要チェックですよ!!
f0003539_17395193.jpg

 カーポスさんは家具工房もされているだけに、ほとんどの家具がオリジナ
ル。実に気持ちいいカフェ空間だ。

 カーポス工作所代表の森岡さんは実は一級建築士でもある。たいがいの
仕事はご自身で図面を描くが、建築家とのコラボにも積極的なのだ。
f0003539_17421519.jpg

写真を見るだけで森岡さんの人柄が伝わってくる。

 最近、僕は考えている。
 人柄建築家という紹介の仕方があってもいいんじゃないか、と。

 最近、プロトハウス事務局に登録したいと作品集を送ったいただいた建築
家もまさに人柄建築家だった。
 作品性に派手さはないが、牧歌的なその作風からはやさしい人柄が伝わっ
てくる。だが、その建築家が送ってくれた作品集では一般のお客さんに対し
て「設計依頼をしたい」という意欲を喚起するまでの説得力がないことも僕
は承知している。
 プロトハウス事務局に来場されたお客さんは、要望などのヒアリングの後で
まず建築家の作品集に目を通すのだが、その作品集の出来の善し悪し、極
端に言えば住宅写真の出来の善し悪しで、その建築家に実際に会ってみた
いという思いになるのが常なのだ。
 建築家の中には自分で住宅の写真を撮影する人もいるので、プロのカメラ
マンが撮影した写真よりもどうしても見劣りがしてしまう。だからこそ、プレゼ
ンテーション能力の高い建築家は人気の高いカメラマンに住宅写真を依頼す
ることになるのだ。
 ところが写真には人柄が映らない。
 家づくりで重要なことの一つが建主と建築家の相性の良さであるから、なん
とかこの人柄を伝えるいい方法がないかと日頃から頭をかかえているのだが、
どうもうまくいかない。
 コワンでのミーティングに参加してくれた荒井さんや植本さん、岸本さん田中
さんもなかなかいい人柄だが、バウハウスの岩上さんもカーポスの森岡さん
も実にホットな人柄である。建築家と工務店という立場は違えど、家を設計す
る人という意味ではみんな人柄建築家である。
 この人たちに頼めば、人柄のいい家が完成するだろう!
[PR]

# by cafejien | 2007-04-13 18:03
2007年 03月 28日

【なんちゃって不条理】

…僕の青春の記号かな〜
<例のコラム>
 次女が旅立つ。京都の大学で食物栄養について学ぶのだという。
 完全な理系である。
 僕が高3の時点できっぱりあっさり断念した理系である。
その理系に進学するため意気揚々と旅立ちの準備をしている娘を
思うとき、父親はすこし涙目である。嫁ぐわけでもないから、どうと
いうことはないのだが、すでに長女が社会人となり、ここ数年、家
では妻と次女との3人暮らしだったので、ちと寂しいのである。
 僕の大学時代は「食物栄養について学ぶ」などと明確な目標は
なかった。入学したのは仏蘭西文学部である。高校生までは剣道、
陸上と寡黙な個人技体育会系だった僕は、そこで、それまでと百八
十度異なる文芸部に入った。宝塚で行われた新入生合宿ではしこ
たま飲まされ最悪のゲロゲロ状態だったものの、そこで、サルトル
の実存主義とはーとか、だから「嘔吐」はねーとか文学青年先輩が
たのロジカルな言葉責めに遭ったのだった。だからサルトル「嘔吐」
は僕の中ではどうも酒臭い。吐いた日本酒のすえた臭いがするの
である。
 なかでも酩酊してしまったのがアルベール・カミュの言うところの不
条理という概念だった。「シーシュポスの神話」や「異邦人」のなかで
僕は不条理を学んだ。カンタンに言えば、世の中、不条理なことばか
りじゃん! いくら正当に生きていてもいつでも傍に不条理な世界があ
るんだぜー!という概念である。ちょうどそのころフランスの映画運動
ヌーベルバーグの代表ともいわれるアランドロン主役の「太陽がいっ
ぱい」を観た僕は、その不条理なラストシーンにいともたやすく感動し
「不条理ってかっこいい!」などと思い込んでしまったのだった。
 それ以来、この不条理を超える文学の概念に出会ったことがない僕
は日本の小説がちんけに思えてまじめに読めなくなってしまった。日
本の小説家でまもとに読めるのは大江健三郎ぐらいだと仲間たちと
飲むたびに豪語した。完全なる文学かぶれである。
 しかし、僕はいまだにこの「なんちゃって不条理」状態から抜け出せな
いままである。
 娘は京都でどんなカルチャーと出会うのだろう。
 その成長を楽しみに見ていきたい。
 京都といえば大阪であり、神戸である。
 というわけで、ここからはお仕事のご報告。
 3月24日に神戸のエクレアキッチンさんの中にプロトハウスパークが
完成したので行ってきた。
 オープニングパーティではスペインギターの演奏もあり訪れた建築家
たちもしばしその情熱的な音色に酔いしれた。
 写真は「建築家の仕事展」と銘打った写真展示のための壁面演出であ
る。大川市の広松木工さんがつくるダカフェフレームという木製のフレー
ムを壁のスチールバーに磁石でとめてみた。なかなかいい感じだと思う。
ここでは、建築家たちの仕事を紹介しながら、実際の家づくりの相談にも
応えていく。神戸の人は、ぜひ利用してほしい!!
f0003539_17344290.jpg


 翌月曜日は、5月に開催するブルースカイミーティングのための打合せだ
った。
 イベントで実際に使うのと同様の53枚のカードを使ってロールプレイング的
にシミュレーションしてみた。
 来場者役の僕らがまずは「こんな家にしたいという思いを感じる」カードを3枚
選び、そのカードをネタにして建築家に家づくりの相談をするのである。建築
家も同じ53枚のカードの中から「こんな家づくりを提案したいという思いを伝
えることができる」カードを3枚選んでおくのだが、例えば同じカードを選んで
いても、そこから感じているイメージはそれぞれに異なる。言うならば心理テ
ストのような感覚で、カードを使いながら心をニュートラルにした状態で本当
に自分が求めている住宅のイメージをつかんでもらおうと考えているのである。
 実際にシミュレーションしてみて解ったのが、カードをネタにして会話するだけ
なのに「テイスト」「コンセプト/思い」「機能」という3つのカテゴリーに渡って、会
話する者同士の思っていること、感じていることが確認できた。つまり、お互い
の相性が“深い部分で”確認できたのである。
 これは実に面白い経験だった。この方法を使ったブルースカイミーティングは
きっと面白い結果を招くことになる、と確信した。
 「なんちゃって不条理」を生きてきた僕だが、ここには心理的な合理性を感じる。
理系の明晰さを感じた瞬間、次女の涼しい横顔が頭に浮かんだ。
f0003539_17554360.jpg

[PR]

# by cafejien | 2007-03-28 17:56
2007年 03月 10日

【泳ぐ建築家】

…いろんな海を建築家は泳いでいる。
<例のコラム>
 昨日今日とインクルーシブデザインのワークショップに参加してきました。
 私がアドバイザーとして参加している九州大学ユーザーサイエンス機構主
催のワークショップです。
 講師はRoyal College of Art Helen Hamlyn Centre(英国の王立芸術
大学院ヘレンハムリン研究所特別研究員)のJulia Cassim(ジュリア・カセ
ム)さん。ジュリアさんですから女性の方。インクルーシブデザインの実践的
な指導者です。
 インクルーシブデザインはユニバーサルデザインとよく似ていると紹介され
がちですが、ユニバーサルデザインが老人なら老人の平均値にアプローチ
しようとしているのに対し、インクルーシブデザインは、ターゲット層のなか
でもよりメインストリームなユーザーにフォーカスすることで、より創造的にし
かもリアルにグッドデザインを導き出すことができる点に違いがあるのだと
知りました。つまり障害者を対象とした商品開発であれば、より重度な障害
者の周辺にこそ創造的なグッドアイデアを生むヒントがあるというのです。
 ワークショップでは、会場となったスタジオ内で、まず課題に対するアプロー
チの方法を学び、それから実際にフィールドに出て、対象として選んだ環境
や商品、空間を、理解・調べ・改善策を練り・それを判断し・テストによって新
たな価値を創造していくということを行いました。僕の参加したアトランティス
チームは出力センターのキンコーズにリサーチに行き、その新たな可能性を
プレゼンテーションしました。
 このワークショップに参加して、僕は、今僕らが提案している家づくりのプロ
グラムに採用すべき多くのことを“フレキシブルに”学ぶことができたように思
います。インクルーシブデザインでは、ユーザーのことを「デザインの失敗に
よって最も影響を受けている人」と位置づけているのですが、それなど最たる
収穫です。
 「建築家が提供する、あるいはしたデザインによって最も影響を受けている人」
を思うとき、僕は今の建築家たちが提供するデザインに大きな不安を感じずに
はいられないからです。
 ジュリアさんが指摘したインクルーシブデザインの次のポイントは多くの建築
家が耳を傾けるべきです。彼女はこう言いました。
「ユーザーの声を聞くこと、その生活を見ること、自分でもそれを体験すること
(すなわちその立場になって知ること)、最後に想像すること」
 こんな単純なことを、建築は忘れてはいないでしょうか?
 (建築家のみなさん、この具体的な方法を知りたいとは思いませんか?)
 昨日、本屋で某建築雑誌を立ち読みしました。
 そこには、前衛的なデザインがなされた建築家住宅がセレクションされていま
した。
 正直に言います。そこに掲載された住宅がダメだと言うのではありませんが、
もううんざりします。疲れます。スタイリッシュで変わった新規性に満ちた住宅を
紹介すれば販売部数は伸びるのかもしれませんが、いい加減、馬鹿げていると
感じませんか? 
 住宅はファッションではありません。人が生活する拠り所です。
 もちろんスタイリッシュにデザインされた住宅をすべて否定するわけではありま
せん。中にはそのようなデザインが好きなユーザーがいらっしゃるのも事実です
し、私自身、そんな住宅もプロデュースしてきました。しかし、そこにはちゃんと
家づくりの目的があって、その結果としての“ヘンテコな形をした”住宅の誕生が
あったのです。
 家はデザインのみで語るべきものではありません。構造があり、室内があり、身
体に影響を与える温熱環境の仕組みがあって、それらが組合わさってはじめて
家のデザインとなり住み手の暮らしに影響を与えるのです。
 建築雑誌の編集者たちは、もっと責任をもって家の全体デザインを語るべきだ
と思いませんか? それこそインクルーシブデザインの視点で。
 インクルーシブデザインのワークショップに参加し、僕は、今までに増して、生活
者の視点で家づくりの仕組みをつくりあげることの重要性を感じました。
 このような視点に立ったとき、今の建築家たちの中には、建築家住宅幻想という
海を泳がされている人も多いように思います。
 とある団体主催の建築家住宅をネタにしたイベントで全国を飛び回る建築家やそ
れを高名な建築家と呼んで親しげに交流を図っていることを自慢する建築家などは、
自分が泳いでいる海の本質を知るべきでしょう。
 もちろん、意匠だけでなく、構造も温熱環境づくりも自分なりにスキルア
ップを図りながら、明確な目標を持って「いい家づくり」の大海を泳ぎきろうとがん
ばっている建築家もたくさんいます。
 僕は、この後者の建築家たちと、総合的なデザインの失敗のない、安心して住まう
ことのできる住宅をつくっていきたいと思います。
 これからは、より本質が問われる時代です。
 建主も、本物を見抜く力が必要です。
[PR]

# by cafejien | 2007-03-10 01:22
2007年 03月 01日

【お宿アパートメント】

…ずばり、お宿感覚の風情あふれるアパートメント
<例のコラム>
 今、新たなコミュニティ型アパートメントをプロデュース中です。
 コンセプトは「お宿アパートメント」。実はこのプロジェクトのオーナー、広い
敷地にマンションや木造アパート、戸建て賃貸住宅などを建てて既に経営
中です。おまけに数年前には岩盤浴の施設まで開業してしまいました。
 このオーナー、ANさんと申しまして、もう、かなりマニアックなご仁です。僕
とANさんはかれこれ古いお付き合い。ジャズにも精通しているANさんには、
時に僕専用のジャズセレクションを選んでもらったりしている間柄です。
 で、このアパートメント。薪ストーブが穏やかな雰囲気を醸し出す岩盤浴の
施設をお宿のフロントと位置づけ、マンションをお宿の本館、今回企画する
メゾネット形式戸建て感覚のアパートメントをお宿の離れとして、全体の敷
地計画、環境計画を練っております。
 この地球温暖化の今、賃貸住宅だって責任回避はできないでしょう、と各
室極力エアコンに頼らない温熱環境を産み出す空間デザインを実施。駐車
場だって、三和土にて熱反射のない水打ち効果抜群の装置型パーキングを
狙っておる次第です。
 この三和土風パーキングに加え、各室の土壁仕上げも、ワークショップ的に
環境共生住宅に興味のある方の参加を募りながら手作りしていく計画です。
そのうちに「壁塗りしたい人集まれー」とか「三和土パーキングづくりしたい人
集まれー」と呼びかけますので、土にまみれながらも、いずれ我が家の壁や
土間を土でつくりあげたいと心身ともに願っている方は、その一報をお待ちあ
れ。この上なく上質な自然素材を格安に使う方法とともにご案内申し上げま
す。
 この「お宿アパートメント」、ちょっとした雑木林もつくる算段です。その林と三
和土パーキングが自然の冷蔵庫の役割を担えるよう建築家による設計プラ
ンが進行中。各棟を結ぶ路地風の通路も三和土仕上げ。まさにお宿の離れ
のようなアパートメントづくりを目指しています。
[PR]

# by cafejien | 2007-03-01 01:24
2007年 02月 24日

【幸せいっぱい】

…幸せいっぱいの春ですね〜。
<例のコラム>
 玄米の家に行ってきました。
 玄米の家は、今カフェになっています。
 おおぜいのお客様が、ゆっくりお昼ご飯を食べていらっしゃいました。
f0003539_1385554.jpg


 今日の玄米定食は、おからコロッケがメイン、それに、そばがきと豆
腐の和え物、お漬け物、具だくさんのお味噌汁がつき、もちろん玄米
ご飯が主食です。
 ほんのりとした器たちにもられた食べ物たちはも、どこかしらほんのり
とした表情をしています。おいしそう!!
f0003539_1310876.jpg


 ここにはいつも、幸せな会話があります。
今日も、幸せいっぱいの玄米の家でした〜。
[PR]

# by cafejien | 2007-02-24 13:06
2007年 02月 22日

【51番のバスはなぜ来ないのか】

‥待っていると、それはなかなか来ない。
<例のコラム>
 今日はブルースカイミーティング開催のための第二回目の打ち合
わせが行われました。まずは全体のプログラムをいかにするかの説
明を僕が行い、次は、そのプログラムを実際に行うための会場のレイ
アウトに関して建築家の清原さんから説明がありました。
「会場全体でプログラムを機能させたいという主旨を生かすために建
築家ごとにブースを設けるという発想はやめて、ブルースカイのカー
ドをシャッフルするように会場全体に散りばめるようなレイアウトにしま
した」と清原さん。若手建築家のなかでも次代のモダン住宅を提案す
る建築家だけあって、さすがにアイデアが斬新です。
 しかしながら、と様々な意見が相次ぎ、来場者にもわかり易く、しか
も会場全体でブルースカイ手法を実現しようということで、建築家は連
続する3つのテーブルを使って自己のテイストとテーマ性を表現しよう
ということになりました。会場入り口には特設ブースを設け、その中で、
現状の住まいに対する思いと未来への希望をカードから選び、次のス
テップとして建築家コーナーで深層心理的にもめざす方向性が一致す
る建築家との出会いが実現できるようにしよう、ということになりました。
 会場運営の具体的なプログラムはいずれご案内しますので、しばし
お待ちください。
 皆さんの協力があって、ブルースカイミーティングの開催準備はすこ
ぶる順調です。
 このように事が順調に進んでいるときこそ、僕は、そうではない場面を
思い起こしてしまいます。つまり、滞っているという状態について想像は
翼を広げるのです。
 滞っているとき、それはまさに待たされている状態に似ています。僕は
時々バスを利用するのですが、僕を自宅へと運んでくれる51番のバス
がなかなかやってこないということがあって、この滞っている状態はその
ときに舐める歯がゆい感覚と似ているのです。
 51番のバスはなぜ来ないのか?
 僕はバス停に立っていくつもの妄想にふけります。
 もしかしたら、ここにバス停があることを51番のバスは忘れてしまった
のか、バス停を間違えたのか、その路線はとうの昔に廃止されたのか、
バスは事故に遭ったのか、今通過したばかりのその直後なのか、僕が
51番のナンバーを見落としたのか、はたまた今このバス停に待ってい
る人はみなエキストラで僕だけが何らかの芝居の一こまに引きずり込ま
れているのか、そんなことまで妄想してしまうのです。
 しかし、実のところ僕は知っています、51番のバスが来ないわけを。
 それは、そのバスを待っているから来ないのです。「まだ来ない、いつ
来るのだろう」ということだけを考えているから来ないのです。
 待つ時間は、いろんな選択肢が他にあることを知る絶好のチャンスで
もあります。その気になれば、タクシーを拾うことも、目的地まで歩くこと
もできます。
 ブルースカイミーティングの打ち合わせが終わり、建築家たちが去って
いった後に、僕はこんなことを考えていました。
 今のところ、ブルースカイミーティングへ向けて51番のバスは順調に走
っています。それは、誰を待たせることもなく、目的地に向けて気持ちよく
走っていきます。
 待たされるくらいなら、タクシーに乗ろうとすばやく決断するのも人生で
す。目的地まで歩いていこうと、じっくりとしたスタートを切るのも人生です。
 すくなくとも僕は今、51番のバスに乗って、ブルースカイミーティングの
目的地に向かっています。
[PR]

# by cafejien | 2007-02-22 00:57
2007年 02月 15日

【著者冥利】

…書き手の発した言葉が人に伝わった、その喜び!!
<例のコラム>
 建築家の瀬野和広さんから嬉しい便りがありました。
 瀬野さん設計で進んでいる山梨県のH邸での打ち合わせの際に、
Hさんが瀬野さんに「この本を読んで参考にしているんです」と僕が
書いた「スローハウジングで思い通りの家を建てる」をお見せになっ
たというのです。
 本にはインデックスがびっちりと付けられていて、いかにも活用して
ますという使い古した感じです。
 瀬野さん曰く「こういうのって著者冥利につきるよね!ね!ね!」
 「ね!」がいっぱいあるのは新潟生まれの瀬野さんの口癖。「ね」の
前にすこし「ん」が隠れていて「んね」的にねばっこく聞こえます。
「ほんと、著者冥利につきます!!」心のなかで僕もおおきく頷いてい
ました。
 Hさん、ありがとうございます。
 こんな風に僕の書いた言葉をうまく使いこなしていただくと、本当に
著者冥利に尽きます。
 この本は今から3年ほども前に建築家との家づくりに際しての入門
書的に書いたもので、いろいろなコツや心構えが書かれています。
実はこの本を読んでプロトハウス事務局に興味を抱きその後事務局
のギャラリーにやってくる方も多いのです。図書館で読んだという方の
声もよく聞きます。いずれも有難い限りです。
 このようなお便りを耳にするたび、あらためて初心に立ち返る思いで
す。コトの在るべき姿を求めて言葉を探し、言葉をつくり、それが仕組
みやプログラムとなって機能していったとき、そこに一つの形が生まれ
ます。そこで大切なのは、最後の形を想像し、どのような言葉を発す
るかです。言葉には受け手がいて、ときにはこんな風に心地よい形を
投げ返してくれるのです。
 これからも著者冥利につきるような言葉探し、言葉づくりを進めてい
きたいと思います。
f0003539_1221072.jpg

[PR]

# by cafejien | 2007-02-15 12:02
2007年 02月 07日

【コートのいらない2月】

‥それはまさに異常気象。
<例のコラム>
 このところ暖かい日がつづいています。
 今日は15度。コートは家に置いて出かけました。東京では初雪を
迎えないまま春一番が吹く可能性もあるのだとか。まさに異常気象
です。
 僕らの子供の頃は、2月と言えば一年中でもっとも寒い季節。田ん
ぼの畦道を白く凍らせた霜を踏んで学校へと向かったものでした。田
んぼには牛の糞がうず高く積み上げられ、そこからは湯気が上がっ
ています。その湯気を見て僕は、僕らに剣道を教えてくれていた吉沢
先生の頭を連想して一人笑いを口のなかでこらえていたものです。
 吉沢先生は小学校の校長を定年退職した人で、その当時は僕らの
小学校の剣道部の顧問として教えにきてくれたいたのです。頭をお坊
さんのように丸めていて、冬、道場で練習の後で面をはずずと、その
まあるい頭から湯気がたちのぼるのです。 
 田んぼの端に積み上げられた肥しもまあるくこんもりとしていたので、
吉沢先生の頭と微妙にだぶったのです。
 僕の田舎に行っても、そんな冬ならではの風景も今は見ることはで
きなくなったのだと思います。
 コートのいらない2月なんて、やっぱり不自然です。
 凛とした冬があってこそ、桜花が風に舞う季節が待ち遠しいのです。
[PR]

# by cafejien | 2007-02-07 00:15
2007年 01月 30日

【ブルースカイ】

…青空。心が解放された状態。
<例のコラム>
 5月に開催するブルースカイミーティングの打ち合わせのために
今朝、建築家の清原さんがやってきました。
 昨年まではかつての井上陽水のようなモジャモジャ頭がトレー
ドマークだったのに、昨年末からはさっぱりヘアースタイルにイメ
ージチェンジしていて、なかなか好青年です。
 清原さんはブルースカイミーティングの実行委員の一人。会場
レイアウトの企画を担当しているので、先日行われた実行委員
会の打ち合わせを受けて、本日は、ではどのような会場にするの
かを僕と二人でミーティングしました。
 ブルースカイミーティングとは、弱者にやさしいインクルーシブデ
ザインのなかのブルースカイ手法というデザイン開発方法を活用
しようと僕が建築家たちに呼びかけたものです。
 ブルースカイとは文字通り青空。青天井の基でなんの制約も受
けずに心を解放した状態で、つまりニュートラルな気分になって想
像してみよう、というのが基本。このイベントでは、そんな気分にな
ってもらって、本当に自分が好きな住まいって何だろうというところ
から家づくりをスタートできないかと考えているのです。
 住宅のプロデュースをしていると、家づくりに関していくらかの情
報や知識を持った方がいらっしゃいます。僕らはそんな建主候補者
の気持ちになってできるだけその人たちの満足が実現できるよう
な建築家との出会いをコーディネートしているのですが、どの部分
に満足を覚えるのかは人それぞれなので、このような手法で、人
が本当に望んでいるものをすこしでも発見できればと願っているの
です。
 通常このブルースカイ手法では、50枚程度のカードを使い、今の
現状を表していると思うカードを3枚選び、次に、これからそうなりた
いと願っているカードを3枚選びます。いずれもどんなカードを選ん
だのかは問題ではなくて、なぜそのカードを選んだのかの、この「な
ぜ」の部分が重要なのだそうです。カードには、住宅やオフィスとは
関係のない様々な写真がレイアウトしてあるので、ゲーム感覚で、
すなわちナチュラルな気分になって直感的にカードを選ぶことがで
き、その結果、深層心理の悩みや本音、希望などが顕在化してき
ます。
 イベントでは会場全体に20名の建築家が参加し、まるで建築家そ
のものがカードのような存在感を示すなか、来場者が、自分の深層
心理に気づき、そして、一つの希望を見いだすように建築家との出
会いを実現するというストーリー展開がなされます。
 具体的にどのようなプログラムで会場運営がなされるのか、お楽し
みは当日会場にてぜひご体感していただきたいのですが、キーワー
ドはやはりカードです。
 清原さんと打ち合わせしていると、徐々に会場のイメージが出来上が
ってきました。
 明日は、会場であるアクロス福岡に清原さんといっしょに会場下見に
行きます。
 建築家のテイストをプレゼンテーションしながらも、いかにして何の
制約もないそれこそブルースカイのような開放的な会場を創出する
のか、これもお楽しみの一つ。2月の実行委員会までに清原さんがレ
イアウトプランを描いてくる予定です。
[PR]

# by cafejien | 2007-01-30 18:56