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2006年 06月 22日

【やさしい町】その4

 萩尾さん一家の東京小旅行の最終日は表参道散策です。
 その日は晴天の日曜日とあってすごい人出。実は前日の
夕方も「青山子どもの城」に行った後に表参道散策していた
ので、その日は、はっきりとした目的もなくぶらぶら歩きを楽
しんだのでした。
 前日は、表参道ヒルズを歩いたのですが、回廊となった「ぐ
るぐるストリート」は、温ちゃんを乗せた車イスにもやさしくて
最下階までゆったりと誘ってくれました。でも最後の最後が
狭いエスカレーターになっていて、剛さんがなんとか車イスを
エスカレーターに乗せて下のフロアに降りるとヒルズのスタッ
フに「ベビーカーは危ないですから」と注意されてしまいました。
エレベーターはすぐ傍にあったのですが、目の前の下階にわ
ざわざエレベーターを使って降りる人はいないでしょう。こんな
ところは設計者によ~く想像した上でプランニングしてほしい
ところです。安藤さん、そこまで考えたのかな~?
 日曜日の昼食はファーマーズテーブルです。表通りはすご
い人出でどの飲食店にも行列ができていましたが、ファーマ
ーズテーブルはちょっと待っただけで入店できました。ここで
食べたカフェ飯は、萩尾さんの自宅カフェの参考になったで
しょうか? 7月1日のカフェオープンの日にその答えを知る
ことができるはずです。
 食後、華世さんは2階の雑貨コーナーへ。剛さんと温ちゃん、
勘太くんは店の前でしばし休憩です。
 温ちゃんの車イスではペコちゃん人形がニッコリ。勘太くん
の浴衣姿もかわいい!
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 ぶらぶらゆっくり歩いていると、あっという間に時間は過ぎて
羽田空港へと向かう時間になりました。
 萩尾さんたちは家族4人でJR原宿駅まで歩きました。もうすこ
しここで遊んでいたいけど、飛行機の時間があるから仕方あり
ません。でもこの東京旅行は大きな意味がありました。
「障害がある温でも、東京に来ることができる」と華世さんは確
信したのです。
 地下鉄の階段には泣かされましたが、それでも家族みんなで
力を合わせれば「よいしょ、よいしょ」という掛け声といっしょに温
ちゃんを乗せた車イスを運ぶことだってできたのです。いずれ勘
太くん成長すれば、お父さんの剛さんだけでなく力強い存在に
なるはずです。
 原宿駅からはエスカレーターに乗り羽田空港へ向かいました。
羽田から神田駅に向かったときのように手厚いエスコートはあり
ませんでしたが、エスカレーターが完備されていたので、そんな
に困難ではありませんでした。
 JR山手線の車内には疲れて眠たそうにしている勘太くんを抱っ
こする華世さんがいました。
 それは、美しい母親の姿です。いとおしい我が子を抱きかかえる
母親の姿です。勘太くん、心から安心して、その胸でおやすみな
さい。
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by cafejien | 2006-06-22 00:08
2006年 06月 17日

【やさしい町】その3

 翌日はいよいよ華世さんのカフェ研修の日。歌舞伎座の前でいったん
解散して華世さんは大手町のカフェコワンへ、剛さんと子供たちは近くの
日比谷公園へと出かけました。
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 剛さんは車イスに温ちゃんと勘太くんを乗せ、歌舞伎座から歩いて日比
谷公園へ向かいます。約15分足らずで公園へは着いたそうです。
 華世さんは地下鉄でカフェコワンへ向かいました。
 その日のコワンは土曜日ということもあってお客さんがすくなかったので
華世さん、齋藤さんやその奥様の愛子さんにいろいろと実務的な質問をし
ました。
 で、最後はギャラリー担当の千葉さんや齋藤さんの愛娘のちーちゃんも
いっしょに、はい記念撮影。ちーちゃんといっぱい折り紙をした華世さん。温
ちゃんに接するときと同じやさしい眼差しで、ちーちゃんと楽しいひと時を過
ごしました。
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 カフェ研修が終わってから、萩尾さん一家は青山にある「子どもの城」に
行きました。閉館1時間前にぎりぎり滑り込んだので、すべてのコーナーに
は行けませんでしたが、それでも落書きボードでは温ちゃんと勘太くんがお
絵かきを堪能! 普通の家も、こんな風に自由に落書きができたら楽しい
でしょうね。
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 そうそう青山に出かける前に銀座の歩行者天国にちょっと寄り道。日比谷
公園から帰った小さな子ども二人と大きな子ども(誰のことかな~?)一人が
「お宿吉水」でお昼寝していたので、華世さんがお宿まで迎えにいき、それか
ら家族揃って青山に行ったというわけです。萩尾一家、歩行者天国デビュー!
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 青山への交通アクセスは“恐怖の”地下鉄でしたが、今度はちょっと知恵を
使って“都会の厳しさ”を克服しました。
 まずは、地下鉄銀座駅の改札フロアへ。ここではデパートの松屋に入り、
そこのエレベーターで地下に降りたのです。デパートのフロアから地下鉄フ
ロアへはすこし階段がありましたが、長い階段を車イスを抱っこして降りるよ
りは随分と楽です。
 同じように地下鉄表参道駅から地上へ出るのにもうまく発見したエレベータ
ーを使うことができました。
 こんな風に注意深く行動すれば、東京は再びやさしい笑顔をのぞかせるの
でした。
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by cafejien | 2006-06-17 01:13
2006年 06月 14日

【やさしい町】その2

 カフェコワンで萩尾さん一家と齋藤さんの顔合わせが
終わると、萩尾さん一家は銀座にある「お宿吉水」へと向
かいました。
 銀座へは東京メトロ大手町駅から東西線に乗り、日本
橋で銀座線に乗り換えて8分の距離ですが、ここに「やさ
しい町」の落とし穴がありました。
 地上から地下へ、まずはサンケイビルのエスカレーター
で降りようとしたのですが、いつも利用している正面玄関
横のエスカレーターが人間一人分の肩幅を想定している
のかとても狭いため、温ちゃんを乗せた車イスがエスカレ
ーターに入らないのです。そこで仕方なく階段を使って改
札口のあるフロアまで行こうとしたのですが、これが困難を
極めたのです。
 時間帯はちょうど夕方のラッシュがはじまる時間です。温
ちゃんごと車イスを抱きかかえた剛さんが階段を降りてい
きます。そしてその傍らでは勘太くんが、山のような歩行者
の足をストップさせて階段を四つんばいになって降りはじめ
たのです。
 勘太くんにとってこんなに複雑な地下鉄の通路を歩くのは
はじめてのことです。だからなのか、九州の自然児の本領
発揮とばかりに、周りの注目を独り占めして“恐竜のように”
階段を這って降りていきます。そう言えば勘太くん、最近の
一番のお気に入りは恐竜なのだそうです。華世さんが言っ
ても剛さんがっても、勘太恐竜は動じません。その姿は、ま
るでちびっこクロコダイルダンディです。逞しい剛さんは、ゆ
っさゆっさと車イスを抱いて階段を降りていきます。
 やっとのことで東西線の改札口へ着いて中へ入りましたが、
ホームへ降りるのもやはり階段しかありません。どこにでも
あると思っていたエスカレーターがないのです。そこで再び剛
さんが車イスを抱いて階段を降ります。
 電車の中では恐竜勘太くんの雄たけびにこたえるように温
ちゃんも興奮して大きな声を出します。そのたびに華世さんが
勘太くんと温ちゃんの口を手で押さえました。
「こらー、大きな声出したらいかんとよー」
 でも子供たちは、スキを見てはわざとでも大声を出そうとす
るのでした。周囲の人は、ある人はほほえましそうに笑い、あ
る人は驚嘆の眼差しを送り、ある人はすこし迷惑顔です。
 そんなことの繰り返しで日本橋で銀座線に乗り換え銀座に
着いた時には剛さんのTシャツは汗でびっしょりになっていま
した。
 モノレールから山手線の神田駅までの手厚い出迎えがウソ
のように、東京メトロは、この町の厳しい一面を見せつけたの
です。
 「お宿吉水」に着いたのは午後6時30分頃。予定の時間を1
時間近くオーバーしていました。
 出迎えてくれたのは女将さんと全館珪藻土塗りのやさしいお
宿空間です。
 この「お宿吉水」は「体にやさしいこと」にこだわった旅館です。
お布団も天然コットン製で食事も玄米とお味噌汁が基本です。
華世さんがいつも子供たちにつくっているご飯と同じ考え方なの
で、このお宿に泊まることにしたのです。
 女将さんに用意していただいた玄米の夕食をいただいた後で
女将さんは勘太くんにミニチュアカーを渡そうと準備していてく
れたのですが、食べ終わって絵本を読んでいるうちに勘太くん
は眠ってしまいました。
 東京メトロを我が物顔でのし歩いた恐竜も、さすがに疲れたの
でした。
<次号へ続く>
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by cafejien | 2006-06-14 00:41
2006年 06月 12日

【やさしい町】

…住まう人、行きかう人に何のプレッシャーも感じさせない町。
 そんな町なんてあるのだろうか?
<例のコラム>
 温ちゃんがはじめて東京に行きました。パパの剛さんもママ
の華世さんも、弟の勘太くんもいっしょです。
 家族はいつも、できるかぎりいっしょなのです。
 はじめてのことがいっぱいです。
 福岡空港で7番ゲートへ向かう前の萩尾さん家族は、みんな
ちょっと緊張ぎみ。これから、どんな旅がはじまるのでしょう。
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 飛行機に乗るのも、もちろんはじめて。行きの飛行機はちょっ
と興奮ぎみ。勘太くんも美人のフライトアテンダントのことが気
になるのかキョロキョロ&ワイワイ。温ちゃんは不思議そうな顔
をして時々大きな声を出して両手を広げていました。もしかした
ら温ちゃん、自分でも空の上を飛んでいるつもりだったのかもし
れません。ベビーチェアは全日空が用意してくれました。障害が
ある人が飛行機に乗る時にはアシストデスクという専用の相談
窓口があって、必要な装備を用意してくれます。温ちゃんの体の
状態を話して相談したところ、このベビーチェアを用意してくれま
した。3歳以上なので勘太くん同様、座席は1シート必要になりま
す。お母さんが抱っこして搭乗することはできないそうです。
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 羽田空港からは東京モノレールに乗りました。勘太くんと剛さん
は最前列のシートに座ってジェットコースター気分を満喫。温ちゃ
んは車イスに座り、その横の座席に華世さんが腰掛けます。
「汽車、汽車、シュッポシュッポ、シュッポシュッポシュッポッポー」
華世さんは温ちゃんを見ながら歌いかけます。
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 浜松町でモノレールを降りると、なんと駅員さんが待っていて、
モノレールを降りるのを手伝ってくれました。エレベーターまで連
れていってくれて、JR山手線への乗り継ぎもスムーズ。山手線で
神田まで行ったのですが、駅について改札を出るまで多くの駅員
さんたちが、まるで逞しいボディガードのように萩尾さん家族をエ
スコートしてくれるのでした。神田駅のホームから改札に降りるエ
スカレーターに至っては3名の駅員さんが手助けしてくれました。
エスカレーターって、車イスを乗せる時には一部分が平らになる
ようになっているんです。華世さんも剛さんも、はじめて知るそん
なことや、やさしい駅員さんたちに大感激です。
 もしかしたら、東京はやさしい町かもしれない、と思った瞬間でし
た。
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神田で電車を降りたのは、明日の研修のための下見が目的です。
なんと今回の東京旅行の主な目的は華世さんがカフェコワンでカ
フェ研修することにあったのです。温ちゃんちでは7月から自宅カ
フェ「玄米の家」をオープンします。そこで、カフェコワンの齋藤さん
からカフェ運営の手ほどきを受けることになったのです。
 その日の顔合わせが無事終わり、宿泊先の銀座まで地下鉄で
移動することになったのですが、ここでやさしい町だったはずの東
京のとんでもない落とし穴が待ち受けているのでした。
<次号へ続く!>
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by cafejien | 2006-06-12 00:33