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2006年 04月 10日 ( 1 )


2006年 04月 10日

【野苺の花】

…暑い夏の訪れを予感させる白い花。記憶を蘇らせる象徴。
<例のコラム>
 できるだけ簡潔な文章を書こうと心がけているのですが、
ついつい長文になってしまいます。雄弁なのか言葉知らず
なのか、反省しつつ今日のコラムを書いてみます。
 最近は悪天候がつづきますが、ようやく気温も十五度を
下回ることもなく暖かくなってきました。四月十日現在、
桜の花弁は風に舞いながらも葉桜との共演を観せてくれ、
淡い緑と薄紅が目にすがしい季節です。
 近くの公園にそびえる楠の老樹の根元に野苺の花を見つ
けました。雑草に混じってツル性の枝が伸びているのです
が、その所々に白い花が咲いていました。
 この楠の根元には、少なくとも二匹の猫が眠っています。
一匹は僕が埋めた子猫で、もう一匹は近くに住む猫好きな
ある家族が埋めたものです。楠は大きな墓標となって、猫
たちを見守っているのです。
 僕が高校生までを過ごした熊本県人吉市では、夏になれ
ばよく野山で野苺をとっていたものです。山師だった祖父
は田畑に加え、栗山や筍山を残してくれましたが、なかに
はその中腹に西瓜畑がある山もありました。僕らは野苺を
とると、中に蟻が入っていないかを確認して、洗うことも
せずにほおばっていたものです。口のなかに、ほのかに甘
酸っぱい夏の味覚が蘇ります。
 だから、野苺というと、かっと照りつける夏の強い陽射
しと青い空を思い出します。
 楠の根元に野苺の白い花を見つけたとき、僕はやがて来
る夏を思いました。まだちょっと寒いけど、確実にもうす
ぐ夏の暑さが巡ってくるのです。
 僕の家では庭の小さな小屋で豚も飼育していました。市
場に出荷するほど本格的な頭数を飼っていたわけではなく、
十匹程度の小豚が一つ瓦屋根の下でブヒブヒと育っている
のでした。その豚小屋の屋根には何故か南瓜を栽培してい
ました。そんなに高い屋根ではないので、家の周りをグル
ッと囲ったブロック塀から屋根に飛び移っては遊んでいた
記憶があります。南瓜の花って下のほうが少し黄色くなっ
ていて花弁は白く広がっていたように記憶しているのです
が、これは僕の記憶違いでしょうか。
 野苺の花を見て、そんな子供時代のことを思い出しまし
た。
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by cafejien | 2006-04-10 17:54