2007年 07月 03日
…建築家を選ぶコツである。 <例のコラム> 小川真樹さんという建築家がいる。 小川さんが書いたミニ絵本「ひとりで暮らす ふたつの家」を 読めば、小川さんがどれほど素晴らしい家づくりをするのかが容 易に想像できる。また、絵本の構成力から、どれほど優れたシナ リオを家づくりのなかに反映できるのかも、理解できると思う。 だが、小川さんに住宅設計の依頼をする建主は少ない。(小川 さんは集合住宅の設計で相当な実績があるので、集合住宅を設計 することが多い) なぜか? 建主は、建築家がこれまでに建てた住宅の実績だけを作品集で 見て、それで設計依頼をしようかしまいか判断しがちだからであ る。そこには、作品集の写真の出来映えに翻弄される建主たちが いる。 正直に言おう。プロのカメラマンが撮影した建築写真は、実物 以上に建物をよく見せることがあるのだ。 ところが、その部分に重きを置かない建築家たちはプロのカメ ラマンに撮影を依頼することがないので、彼らの作品集は、プロ のカメラマンに撮影を依頼して完成した作品集よりもどうしても 見劣りがするのである。 小川さんもそんな建築家の一人だ。 建築家を選ぶコツがここにある。 絵<物語。(エ ショウナリ モノガタリ) 建築家がどんなデザインをしたかよりも、その家づくりにおい てどんなシナリオを描いたのか、それこそを観てほしいのだ。 作品集の写真に誤摩化されてはいけない。よーく目を凝らして 建築家の家づくりのプロセス(シナリオづくり)を観てみよう。 数少なくても、いい仕事をしている建築家が手がけた住宅にはぴ かりと輝く物語性がある。 小川さんの場合は、建主を家づくりの主役として文化的で豊か な空間づくりに参加させているところが、それだ。 「ひとりで暮らす ふたつの家」は、プロトハウスギャラリーに 展示しているので、必ず、そのシナリオを読んでほしい。 それにしても小川さんの構成能力はただ者ではないと思って訊 いたら、小川さんの父君はかの有名なテレビドラマの脚本家だっ たのだそうだ。なるほど!!! いい家を作りたい建主さんにとって、今、小川真樹さんは、狙 い目な建築家である。
by cafejien
| 2007-07-03 19:33
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