2006年 01月 06日

【美人の鼻毛】

‥‥高慢な人には誰も注意してくれないという意味。「裸の王様」と
ほぼ同義語。
<例のコラム>
 お正月は田舎に帰ってきました。僕の田舎は熊本県の人吉市とい
って九州のヘソ的な位置にあります。それは、熊本と鹿児島と宮崎
の県境で、昔から武道の盛んな土地柄です。というわけで僕の小学
生時代は全力で剣道少年だったのですが、詳しくはこのコラム【5】を
ご覧下さい。
 初詣に行ったのは青井神社です。実は僕が剣道デビューしたのも
この青井神社でした。その試合会場となった中庭を望みつつ二礼二
拍手一礼を。それから家内安全のお札を買って、家族全員でお御籤
を引きました。不思議なもので、みなそれぞれの今年の予定や機運
とお御籤の文面が一致しているところが多く、「すごいねー、青井神社
って当たるよねー」とみな感心しきりでした。
 で、僕のお御籤は「大吉」。今年は春頃に新しい本を出す他、いろい
ろと計画しているだけに神様からの嬉しい便りです。何事にもまずは
成功を確信して動き出す楽天的な性格なだけに、僕は今年起こるは
ずのドラマチックなサクセスシーンをついつい想像してしまい、思わず
心がウキウキとしてくるのでした。
 でものぼせ上がるのは要注意。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」と
いう諺もあります。それに僕が引いたお御籤にだって「傲慢になるなか
れ!」とあるではありませんか。
 まー、お御籤に「!」マークは付いていなかったのですが、僕はそ
れほど謙虚に努めようとも思っていたわけです。
 そう言えば、昔々、僕の知っている美人が小粋なカフェで小さな丸
テーブルに頬杖をついて何か、たぶんオシャレな言葉を口にしていた
のですが、そのとき彼女の鼻から一本の鼻毛が出ていたことがあり
ました。でも、僕は自他ともに認める美人の彼女にそのことを教える
勇気はありませんでした。
 「美人の鼻毛」とは、そのときに思いついた言葉です。これは男性の
逸話に置き換えるならば「裸の王様」と似ています。つまり、当人以外
はみんなその人が恥ずかしい状態にあることを知っているのですが、
誰もその事実を当人に教えてはくれないのです。
 とても品のよい小さく高くまとまった美しい鼻の穴からピョンと突き出
た黒い針のような鼻毛!
 お御籤を読みながら、ふとそんなことを思い出した僕は、「僕は『裸の
王様』にはならないように気をつけよう」と頭の中で小声で呟いたので
した。
 それから僕らは、お御籤を梅の小枝に結び付けて、昔懐かしい境内
を後にしました。
 どうやら今年も、おめでたい一年になりそうです。
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by cafejien | 2006-01-06 01:01


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