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2006年 05月 13日

【バカの森】

…我を忘れて遊びに興じる子供たちの遊び場。
<例のコラム>
 5月というのに20度前後の寒い日が続いています。おまけに
今日は雨で、よけいに寒く感じてしまいます。
 只今午後5時ですが、カフェコワンも今日は早く店じまいをし
ました。バリスタにしてソムリエの齋藤さんは、奥様の愛子さん
と愛娘のちーちゃんを連れておうちへ帰っていきました。
 シトシトと落ちる雨音が聞こえてきます。コワンのある内神田
は銭形平次でもお馴染みの土地柄で、商店街ではもう祭の準備が
はじまりました。西口商店街を歩いていると祭のお囃子がスピー
カーから流れてきて、もうすぐ夏がくるんだなーと実感します。
 雨がつづくせいもあるのでしょうが、公園や空き地では雑草が
伸び放題です。
 雑草にもいろんな種類がありますが、もっともポピュラーなの
が写真で紹介したこの雑草ではないでしょうか。僕らはこの雑草
をバカと呼んでいましたが、正式な植物名は知りません。なぜバ
カと呼んでいたのか、それも正式には知らないのですが、バカみ
たいに人に付いていくからバカと呼ばれるのかな〜などと想像し
ています。誰かもっともらしい説を御存じの方は教えてください。
もっと丸い、卵の周りにびっしりと柔らかな刺が生えた植物も同
じくバカと呼んでいたような気がします。こちらは梅干しの種く
らいの大きさなので、摘み取っては誰かの洋服めがけて投げてく
っつけていました。毛糸のセーターなどに投げていたので、こち
らは秋の植物だったと思います。
 写真のバカはちょっとささくれだったイメージで、これが茂っ
た草むらを歩くと、そのささくれだった穂の部分がズボンにくっ
つくのです。このように動物の体にくっついて移動し、別の場所
で種を落としてそこで発芽することで種の分布を拡大するわけで
す。だから決してバカげた行為ではないのに、なぜバカと呼ぶの
でしょうか。
 公園の大きな楠の樹の足下は、今、まさにバカの森となってい
ます。バカが生い茂り、楠の根元の猫の墓標も見えなくなりまし
た。十分に茂った頃に市の公園整備課がやってきて草刈り機で一
気にバカの森は伐採されます。毎年毎年そのくり返しです。
 タンポポなどのように風によって種を拡大する風媒花には風情
を覚えるのに、バカから感じるのは迷惑なイメージだけです。種
を残すという目的は同じなのに、この違いはなんでしょう。
 僕らの子供の頃は我を忘れて遊びに没頭し、バカをいっぱい洋
服にくっつけて野原を駆け巡っていました。つまりは、バカの森
が僕らの遊び場だったのですが、今時の子供たちはそんなバカげ
たことなんてしそうにありません。
 そんなバカバカしい遊びのなかにも、自然の摂理との出会いが
あったり、大地との触れ合いがあるのに、窮屈な管理社会で育つ
子供たちからは、そのチャンスさえも奪われぎみです。
 いざ子供たちよ、ゲーム機を捨ててバカの森の冒険へ出発せよ!!
 バカの森が伐採された日には草の臭いが辺り一面に漂います。
すると間もなく本格的な夏が到来し、数えきれない蝉たちが鳴き
はじめるのです。
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by cafejien | 2006-05-13 18:43


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