カフェ辞苑

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2005年 11月 20日

カプチーノ。

 縁あってカフェのオーナーとなったものの、実は僕はコーヒー
が苦手です。飲むと胃が悪くなることが多いのです。一日に何杯
も飲むという人の気が知れません。いったいどんな頑丈な胃をし
ているのだろうと思うほどです。
 しかし学生の頃はよく「ブラック」で飲んでいました。ハードボイ
ルドとまではいかなくても、僕らの頃の学生時代って「甘く見られ
たくない」とか今で言う「クール」な一面を誇示したくて男はだまっ
てブラックコーヒーと相場が決まっていたのです。一日に何杯も
ブラックを飲み、その度に密かに「オエッ」としていました。
 そんな僕にとってカプチーノは救世主のような存在でした。ミル
クがたっぷりと入っているから胃にもやさしいのです。はじめてカ
プチーノを飲んだのは何処だったか忘れてしまいましたが、かつ
てのウインナーコーヒーとは格別に異なるどこかしらハイカラな
雰囲気を喉元で味わったものです。でも今までに一番カプチー
ノをいただいてスペシャルな気分になったのは表参道に面したイ
タリアンカフェでした。確かキディランドの近くの参道沿いのカフェ
でした。今はファッションブランドの立派なビルが建っています。
ミルクとエスプレッソの縞模様でハートが描かれていて、イタリア
男ってコーヒーまでラブコールの手段に使うのかと感心したもの
でした。
 カフェコワンは、齋藤さんというバリスタにしてソムリエなる賢人
とのコラボで運営していますが、その齋藤さんのつくるカプチーノ
が実は絶品です。写真は小熊を描いたものですが、他にも魚や
ウサギなどその日の気分でいろいろ描いてくれます。実に器用と
いう他ありません。
 でもはじめて齋藤さんのカプチーノを飲んだ僕は、ちょっと通ぶ
ってこんなことを言いました。
「齋藤さん、これすこしぬるいような気がするんだけど・・」
 すると齋藤さんは静かにこたえました。
「うちのカプチーノは本場イタリアの味を再現しているんですよ。ち
ょっとぬるく感じられるかもしれませんが、この温度がとても大切
なんです。エスプレッソコーヒーの一番おいしい温度55℃に合わ
せて牛乳を温めてつくっているんです。牛乳の甘味とエスプレッソ
コーヒーのコクが最大限にお互いを引き立てる温度でお召し上が
りいただいているんですよ」
 こうなればカプチーノはもはや料理です。僕は賢人の講釈に素
直に脱帽し、救世主のようなちょっと“温め”のカプチーノをいたく
のでした。
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by cafejien | 2005-11-20 23:01


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